プレゼンでストーリーを作るのが苦手な人への教え方

 個人的に、プレゼンテーションで最低限必要な物はストーリーだと思っています。どんなに作り込まれた図や、どんなに深くまで掘り下げられた分析があったとしても、それを有効に見せるためにはストーリーが重要です。しかし、一方で生活の中でストーリーを自分で作る機会って少ないんですよね、多分。慣れていない人には難しいようで、自分も今、ストーリーを作れない子の指導に当たっています。今回は自分なりに考えたポイントを書いておきます。

1.フレームワークに載せる。
 組織に所属していると様式やフレームワークを使ってプレゼンを作る、と言うことが多いと思います。これが明示的であれば問題ないのですが、そうでない場合は過去の資料からこれを探り出す事が大事です。例えば、PDCAサイクルを回しましょう、みたいなのが組織的に取り組まれているならそれに従う。もしないなら、大枠のフレームワークを簡単に自分で作りましょう。お勧めは水戸黄門ストーリーみたいに分かりやすいものがいいです。フレームワークが見つかったら、具体的に紙に書きましょう。下では例を挙げてみます。
 

 1.組織のやりたいこと・現状【町に到着】
 2.問題の分析【町人から悪い噂を聞きつける】 
 3.問題を解決するための課題を探す【助さん角さんが聞き込みをして証拠を固める】 
 4.実際に課題に取り組む【であえーであえー】 
 5.結果を振り返る【悪人が捕まり幸せになった町人】 
 6.次の問題を挙げ、2に戻る。【そして次の町へ】


2.フレームワークに従って、メインストーリーを作る
 フレームワークが分かったので、まず簡単にメインストーリーを作ります。ポイントは、一つの項目に、1、2文しか入れないこと。それから、プレゼンを聞く相手が何を望んでいるか?と言うことをきちんと盛り込むことです。これも紙に書きましょう。

 1.組織のやりたいこと・現状【町に到着】
  今年度は100万円の商品を3つ売ることが目標です。現状は10万円の商品を2つ売っています

 2.問題の分析【町人から悪い噂を聞きつける】
  10万円の商品は売れていますが、100万円の商品はてんで売れません。問題は営業に行ってるお客さんのターゲットが悪かったのです!
  ※ポイント:「営業をしている上で、何が困っているか知りたがっていたので、ここは特に具体的に書く。お客さんの予算が平均いくらとかのデータがかなり重要だと思う」

 3.問題を解決するための課題を探す【助さん角さんが聞き込みをして証拠を固める】
  ターゲットを変更して営業するといいです。お金もってそうなお客さんのリストを持ってきました。ぐへへ。

 4.実際に課題に取り組む【であえーであえー】
  お金持ってるお客さんは10人いるので、とにかく3日間集中的に全員にまわってきます。

 5.結果を振り返る【悪人が捕まり幸せになった町人】
  10人中1人から、具体的に話を聞きたいと言われました!
  ※ポイント:「この方法論を続けるかどうかを判断してもらうために、金持ってる人の実際の発言なんかを取り上げて出してあげるといいかもしれない」

 6.次の問題を挙げ、2に戻る。【そして次の町へ】
  ぶっちゃけ金持ってる人のリストがもうないので、新しい顧客がいません。これについては後日考える必要があります。

3.メインストーリーができたら、後は肉付けしていく。
 まず、2までできた段階で、一度他の人に見せてチェックをしましょう。自分が教えている子には、ここで必ずチェックを入れます。ストーリーを作るのが苦手な人は、この時点で既に破綻していることが多いです。情報の整理が苦手で、一杯書き過ぎちゃう子や話をしている抽象度具合が急に変わる子がいたりします。適切なストーリーを一緒に考えましょう。
 ストーリーが完成したら、後はこれに沿って実際のプレゼンを起こしていきます。が、一旦プレゼンじゃなくて紙に書いた方がいいのかも。プレゼン慣れてない人はぜひ紙に書きましょう。で、2で作ったストーリーと常に見比べてみてください。完成したときにも必ず2と比べてみる。ずれてたら適宜修正すること。


こんな感じです。正直、ストーリーを丁寧に作ってもプレゼン一枚一枚に落としていくと、つい一枚に集中して前後のつながりが吹き飛んでしまうんですよね。レビューをしていても一枚の事をがーっと言っちゃう事になりがちなので注意が必要です。